日本国内で最も有名な超多画数漢字といえば、やはり「たいと(おとど)」だろう。「雲」を3つ、「龍」を3つ組み合わせた、総画数84画の怪物だ。かつて日本の苗字として存在したという都市伝説があるが、公的な戸籍での確認は取れていない。実態は幽霊のような存在だ。
この文字が現代の技術者を悩ませている。デジタルフォントとして画面に表示しようとすると、細部が潰れてただの黒い塊になってしまうのだ。スマートフォンの高精細ディスプレイをもってしても、標準的な文字サイズでは判別不可能。拡大しなければ認識できない文字は、果たして「文字」と呼べるのだろうか。システムフォントの標準規格であるUnicodeへの収録を巡っても、その実用性の低さから長年議論が続いている。