沈黙を破ったのはNHKだった。開幕まであと数日という極限のタイミングで、放映権合意のニュースが飛び込んでくる。公共放送としての使命感、そして国民的な関心の高さが背中を押した形だ。結果として、グループステージの日本戦や決勝トーナメントの重要な試合が地上波で生中継されることが決定した。
もしあの時、NHKが動かなければどうなっていただろうか。日本の女子サッカーは、一般層へのアプローチ手段を完全に失い、マイナースポーツへの逆戻りを余儀なくされていたかもしれない。土壇場での「ブラックアウト(放送なし)」回避は、まさに日本の女子サッカー界の命運を分けるディフェンスだったと言える。