アルタ閉店をめぐっては、SNSや掲示板、知恵袋などで多種多様な「噂」が飛び交った。ここでは、そうしたアルタ閉店噂の真偽を、公式発表・報道データ・現場の証言と照らし合わせて検証する。
まず根強かったのが「経営破綻が原因」という説である。しかし三越伊勢丹HDの公式発表および決算資料によれば、アルタ単体の業績がグループ全体を揺るがすような赤字を出していたわけではない。むしろ問題は、建物の老朽化と耐震性への対応コストが見合わないという判断にあった。関係者の証言によると、大規模改修には数十億円単位の投資が必要と試算され、その回収見込みが立たなかったという。
次に「テナントが一斉に撤退したから」という説。これは半分正しく、半分誤りである。コロナ禍以降、一部テナントの退去が続いたのは事実だが、閉館発表の時点で全テナントが空室だったわけではない。むしろ三越伊勢丹HDが新宿地区の再開発方針を固めたことが先にあり、それに伴ってテナント契約の更新を見送ったという経緯のほうが実態に近い。
ネットの反応で目立ったのは、「昭和の象徴が消える」「アルタ前で待ち合わせした青春時代を返してほしい」といったノスタルジーを中心とした声である。一方で、「もう何年も行っていない」「新宿東口はヨドバシやバスタ新宿で用が足りる」という冷めた意見も少なくなかった。この温度差こそが、アルタが置かれた現実を如実に物語っている。