『ひよっこ』が傑作として語り継がれる背景には、有村架純を支え、引き立てた豪華な共演者陣と音楽の力があります。
谷田部みね子の青春を彩った相手役として、島谷純一郎役の竹内涼真、そして後に夫となる前田秀俊(ヒデ)役の磯村勇斗の存在は見逃せません。裕福な大学生・島谷との切ない身分違いの別れは「島谷ロス」と呼ばれる現象を巻き起こし、一方で洋食屋の厨房で苦楽を共にしたヒデとの不器用な恋の結実には、全国の視聴者から温かい祝福が寄せられました。これら若手実力派俳優との間に生まれた自然な空気感は、彼女の「相手の芝居を全開で受け止める柔軟な受け身の演技」によって引き出されたものです。
さらに、桑田佳祐が書き下ろした主題歌「若い広場」は、昭和歌謡の哀愁とポップスが見事に融合した名曲として、ドラマの世界観を完璧に補完しました。タイトルの通り、見知らぬ人々が寄り添い合って生きる「広場」のような温もりは、2017年末の『第68回NHK紅白歌合戦』で有村架純が紅組司会を務め、桑田佳祐が特別出演してドラマキャストと共に歌唱した伝説のステージによって、ひとつの文化的記憶として定着しました。