本作の作詞作曲を手がけたはっとりは、日常に潜む割り切れない感情をメロディへと昇華させる名手です。本作はHonda「バイクが、好きだ。」のCMソング(タイアップ)としても起用され、疾走感と哀愁が同居するサウンドで幅広い層へ届きました。
新進気鋭の映画監督・井樫彩がメガホンをとったMVでは、はっとり自身が出演し、ワンルームの閉鎖的な空間で過ごす男女の機微が描かれています。MV出演者の繊細な視線の揺らぎや、朝の光が差し込む部屋の生活感は、歌詞の世界観を忠実に補完しています。
特に印象的なのは、カメラが捉える「近くて遠い」二人の距離感です。肌を重ねて笑い合っている瞬間でさえ、ふと視線が虚空を泳ぐカットが挟まれることで、この温もりが一時的な借物に過ぎないという伏線が視覚的に提示されています。