大手乳業メーカー各社の品質管理部門や製品Q&Aにおいて、ヨーグルトの冷凍は基本的に「推奨しない」とアナウンスされています。毒性や腐敗といった衛生上のリスクがあるわけではなく、NGとされる決定的な理由は「物理的な組織崩壊(不可逆的な分離)」にあります。
ヨーグルトは、乳タンパク質(カゼイン)が網目構造を形成し、その微細な隙間に水分(ホエー/乳清)や脂肪分を抱え込むことで、あの独特のなめらかなペースト状を維持しています。ところが一度凍結させると、水分が大きな氷の結晶へと成長し、タンパク質の網目構造を物理的に破壊してしまいます。
これを冷蔵庫や室温で解凍すると、破壊された網目から水分が一気に流れ出し、ボソボソとしたカッテージチーズ状の固形分と透明な液体に二層分離してしまいます。「口当たりがザラザラして水っぽい」「元のヨーグルトとは別物になってしまった」という消費者の失敗体験こそが、冷凍NG説の正体です。