相澤氏の取材活動において、最も社会を揺るがしたのが近畿財務局の職員・赤木俊夫さんの自死をめぐる一連の報道である。
真面目で誇り高く職務に励んでいた俊夫さんが、なぜ公文書の改ざんという違法行為に手を染めさせられ、命を絶つまでに追い詰められたのか。遺された妻・赤木雅子さんは「真実が知りたい」と願いながらも、財務省の分厚い秘密の壁に阻まれていた。そこに寄り添ったのが相澤氏だった。
俊夫さんが遺した手記、いわゆる「赤木ファイル」の存在を世に知らしめ、雅子さんが国を相手に起こした裁判を徹底的に伴走取材。国側が突然「認諾」を行って裁判を強制終了させ、真相解明の場を強引に閉ざそうとした際にも、相澤氏はその不条理さを徹底的に批判した。遺族の痛みを消費するのではなく、国家の不誠実さを追及し続ける姿勢は、取材対象者との間に築かれた強固な信頼の証である。