なぜ『NANA』のアパレルや着こなしは、連載から四半世紀近くが経過した2026年現在もこれほど人々を惹きつけるのでしょうか。その理由は、作者・矢沢あい氏の類まれなファッションへの造詣にあります。
服飾専門学校(大阪モード学園)出身である矢沢氏が描く衣装は、服の構造、ドレープの落ち感、レザーの質感、アクセサリーの留め具に至るまで極めて緻密に設計されています。単なる「キャラクターのコスチューム」ではなく、現実のランウェイやストリートカルチャーをそのまま紙面に落とし込んだリアルクローズだからこそ、時代が移り変わっても古びることがありません。
さらに、個性を恐れず自らのスタイルを貫くナナと、自分らしさを模索しながら可愛さを追求するハチの生き様が、装いそのものに投影されている点もファンを惹きつけてやまない理由です。服を着ることで彼女たちの強さや繊細さに触れられる感覚こそが、NANAコラボ服が単なるキャラクターグッズにとどまらない最大の魅力と言えます。