日本におけるライブストリーミングの歴史を振り返る上で、株式会社ドワンゴが提供してきたニコニコ生放送の功績は無視できない。投げ銭システムや企業参入が進む以前、2010年代初頭のプラットフォームは混沌そのものだった。その中心地であったユーザー生放送の枠組みから頭角を現したのが、かなた(配信者)である。
彼女の武器は、飾り気のない私生活と赤裸々な感情をさらけ出す雑談配信だった。時に自宅の台所から、時に深夜の自室から繰り出される言葉は、洗練されたテレビ番組や商業メディアとは対極に位置していた。リスナーからの手厳しいコメントに即座に反応し、時に怒り、時に大笑いする。その双方向のコミュニケーションこそが、初期のネット民を熱狂させた原動力だった。