ゲレンデの賑わいは、山腹から麓の街へと確実に波及している。島根県邑智郡邑南町は「食のまち」としてのブランド力をスキー場と融合させ、アフタースキーの温泉や地元食材を活かしたグルメツーリズムを展開中だ。観光庁による地方観光振興の支援モデル事業とも連携し、冬のスキー客を町全体の宿泊施設や特産品販売所へ送り込む回遊ルートが確立された。
邑南町観光協会も一体となり、インバウンド誘致とグリーンシーズンのアクティビティ開発を加速させている。標高の高さを活かした夏季のトレッキングやマウンテンバイク、キャンプ事業など、白銀の世界が消えた後も観光客を呼び込み続ける通年型マウンテンリゾートへの変革が着々と進む。
単なる季節限定の娯楽施設から、地域経済を年間通して牽引するエンジンへ。行政と地域団体、リゾート運営企業ががっちりと手を組んだこの取り組みは、過疎化に悩む中山間地域における地方創生の先進事例として全国から熱い視線を浴びている。