スタジアムに設置された高さ約4メートルの緑の土管から登場した瞬間、会場をさらに沸かせたのが安倍首相の「衣装早脱ぎ」でした。マリオの赤い帽子と青いマント状の衣装を脱ぎ捨てると、中からビシッと決まったスーツ姿が現れるという仕掛けです。
この衣装には、舞台衣装のプロフェッショナルによる特殊なギミックが施されていました。土管の上部へリフトアップされるわずか数秒の間に、首相自身の手で瞬時に脱げるよう、肩や胸元の合わせ目にワンタッチで外れる面ファスナー(マジックテープ)が仕込まれていたのです。
失敗が許されない生中継の大舞台に向け、安倍首相は公務の合間を縫って赤坂の議員宿舎や専用スタジオで何度も衣装を脱ぐ練習を重ねました。本番当日のリオはあいにくの雨模様。土管のリフト機構が雨で誤作動しないか、足元が滑らないかなど、現場スタッフは極限の緊張感の中で本番を迎えました。そして本番、完璧なタイミングでスーツ姿を披露し、赤いボールを掲げた姿に、世界中から拍手喝采が送られました。