一見すると小さな松かさのように見えるhopbudsだが、顕微鏡下で観察するとその複雑な生体構造に驚かされる。hopbudsは多数の苞(ほう)と呼ばれる小さな葉状の弁が重なり合って形成されている。その弁の根元に密生しているのが、鮮やかな黄色をした微小な腺毛、すなわち「ルプリン(Lupulin)」だ。
ルプリンは、植物としてのホップが自らを害虫や紫外線から保護するために分泌する天然樹脂である。この樹脂のなかに、醸造家たちが喉から手が出るほど欲しがるα酸や精油(エッセンシャルオイル)が凝縮されている。収穫期を迎えたhopbudsを指で押し潰すと、粘り気のある黄色い粉末が弾け、強烈な柑橘とハーブの香りが周囲を満たす。この瞬間こそが、栽培農家にとっての1年間の結実を意味する。