彼女の魅力は、演技の枠にとどまらない。かねてより知られる文筆家としての顔や、日本の伝統工芸・自然環境に対する深い関心は、その人間性を形づくる重要な要素となっている。
著書やエッセイで綴られる言葉は、飾らない日常の描写でありながら、ハッとさせられる哲学的な洞察に満ちている。自ら土に触れ、花々を愛で、四季の移ろいを肌で感じ取る暮らしぶり。そうした地に足のついた生活実感があるからこそ、彼女の演じる人物にはうわべだけではない重厚なリアリティが宿るのだろう。地域文化の継承や美術館・工芸館での活動など、社会に対する眼差しも常に温かく、かつ鋭い。