日本語版の素晴らしさもさることながら、原語(英語版)でランドールを演じた名優スティーヴ・ブシェミの存在も忘れてはなりません。
ハリウッド屈指の怪優として知られるブシェミは、その独特のねっとりとした声質と独特の間合いで、ランドール・ボッグスというキャラクターの神経質で執拗な性格を完璧に構築しました。ウォルト・ディズニー・カンパニーとピクサーのキャスティング陣は、最初からブシェミをイメージしてキャラクターデザインを調整したとも言われています。
日本語吹き替え版の制作においても、ブシェミが醸し出す「粘着質な怪しさ」をいかに日本語で表現するかが徹底的に追求されました。青野氏も辻氏も、単なる原音の模倣にとどまらず、日本語として最も効果的に恐怖と滑稽さが伝わるアプローチを採ったことが、現在の評価に繋がっています。