アートシーンと映像作品の境界線を曖昧にした張本人といえば、村上隆率いるカイカイキキを外しては語れない。2010年代に世に放たれた『めめめのくらげ』は、ポップな色彩と不気味なCGクリーチャーが見事に融合したCG×実写映画の先駆けだった。今回の「クラゲ頭」プロジェクトには、その刺激的なビジュアル表現と哲学的メッセージ性が脈々と受け継がれている。
美術と映像の融合は、単なるビジュアルの奇抜さにとどまらない。人間の欲望や孤独、現代社会が抱える不安の象徴としてクラゲの造形が選ばれており、アート作品としての深みが全編に漂う。村上隆が長年培ってきた「スーパーフラット」の概念が、最新の映像技術と出会うことでどのように進化を遂げたのか、業界関係者も刮目している。