現在、小泉八雲の直系子孫として最も広く知られ、社会の第一線で活躍しているのが、ひ孫にあたる小泉凡(こいずみ ぼん)氏です。
1956年、東京に生まれた凡氏は、成城大学大学院文学研究科で民俗学(日本常民文化専攻)を修めた後、父祖の縁の地である島根県松江市へ移住しました。島根県立島根女子短期大学(現・島根県立大学短期大学部)で教授を務め、現在は名誉教授および小泉八雲記念館(松江市)の館長、さらには焼津小泉八雲記念館の名誉館長を務めています。
凡氏の活動は、単なる「偉人の子孫」という枠組みを遥かに超えています。妻の小泉祥子氏(記念館館長補佐)と共に、八雲の文学的功績を「怪談の作者」という狭い枠から解放し、自然界のあらゆる命に魂を認めるアニミズムや、異文化に対する寛容さといった「オープン・マインド(開かれた精神)」として再定義する活動を続けています。
アイルランドやギリシャ、アメリカ、ニューオーリンズなど、八雲が漂泊した世界各地のゆかりの地との文化交流事業にも精力的に携わっており、国内外のメディアや学術シンポジウムで発信するその姿は、現代における八雲精神の体現者として極めて高い評価を得ています。