スポットライトは誌面にとどまらなかった。独特の愛らしいハスキーボイスと飾らないリアクションでお茶の間の人気者となり、テレビタレントとして過密なスケジュールを駆け抜ける日々が始まる。スタジオの雛壇で求められる瞬発力と、芸能プロダクションを取り巻く過酷な競争。エンターテインメントの表舞台で消費されることへの葛藤がなかったといえば嘘になるだろう。
「求められる役割に全力で応える面白さと同時に、どこかで自分自身の本質的な声が小さくなっていく感覚もありました」。当時の熱狂を彼女は冷静に振り返る。消費されるアイコンから、自らメッセージを発信するクリエイターへ。多忙を極めた日々のなかで培った現場感覚こそが、その後の彼女の表現者としての骨格を強固にした。