この夫婦の絆を語る上で絶対に外せないのが、結婚直後に訪れた未曾有の経営危機です。
NIGOさんが創業した「A BATHING APE®(BAPE)」の運営会社ノーウェアは、世界的な急拡大の反動により、2009年から2010年頃にかけて約43億円もの負債を抱える事態に陥りました。「カリスマデザイナーの破産危機」と大々的に報じられ、所有していた高級車や美術品を次々に手放すなど、まさに人生最大のどん底を迎えました。
しかし、この絶体絶命の危機において、嫁である牧瀬里穂さんの姿勢は微動だにしませんでした。メディアが面白おかしく転落を書き立てる中、牧瀬さんは周囲に対してこう語ったと伝えられています。
「私は彼の肩書やお金と結婚したわけではありません。人間・長尾智明(NIGOの本名)が好きだから一緒にいるのです」
贅沢な暮らしから一転して倹約を求められる環境になっても、牧瀬さんは夫を責めることなく笑顔で支え続けました。この絶対的な信頼に応えるように、NIGOさんは2011年にブランドを香港企業に売却して負債を整理。その後、自身の新ブランド「HUMAN MADE」の大成功やユニクロ「UT」のクリエイティブディレクター就任を経て、奇跡の大復活を遂げたのです。苦境を共にした経験こそが、2人の夫婦愛を揺るぎないものにしました。