余った餅をただ消費する時代は終わった。熱の通し方や調味料の組み合わせひとつで、食卓のメインディッシュからカフェ顔負けのデザートまで、その変幻自在ぶりには目を見張るものがある。
洋風のアプローチで圧倒的な支持を集めるのが「クリスピー餅ピザ」だ。薄くスライスした切り餅をフライパンに隙間なく並べ、オリーブオイルでじっくりと底面を焼き上げる。カリッとしたクリスピーな食感が生まれたところにトマトソース、ベーコン、たっぷりのチーズをのせて蒸し焼きにすれば、小麦粉のピザ生地とは一線を画す、サクモチ食感の極上ピザが完成する。さらに生クリームを使わず、溶かした餅で濃厚なとろみを出す「餅カルボナーラ」も、驚きの舌触りでリピーターを生み出している。
中華風なら、ピリ辛の麻婆ソースに一口大の餅を投入する「麻婆餅」が外せない。豆腐の代わりに餅を使うことで、餡の絡みつきが格段に増し、ガツンと力強いメインおかずへと昇華する。豚バラ肉をきつく巻き、甘辛い黒酢タレで絡めた肉巻き餅も、一口かじれば肉汁と餅の甘みが口いっぱいに広がる背徳的な旨さだ。
和風の王道を進化させた「揚げ餅のみぞれ出汁仕立て」は、外側のカリッとした香ばしさと、大根おろしを含んだ熱々の一番出汁が絶妙なコントラストを描く。そして甘党を唸らせるスイーツ活用術として外せないのが、牛乳と少量の砂糖を加えて電子レンジで練り上げる「即席ショコラ大福」や、バターでカリカリに焼き上げてメープルシロップを滴らせる「ハニーバター餅トースト」だ。どれも思い立ったら数分で作れる手軽さでありながら、専門店レベルの満足度を約束してくれる。