「細部を描き込む前に、まず全体の大きなシルエットと体幹の傾きを捉えよ」。スタジオジブリ出身のトップアニメーターであり、「アニメ私塾」を主宰する室井康雄氏の言葉は、描画に悩む多くのクリエイターに深い気づきを与えている。筋肉の細かなパーツにとらわれすぎると、全体のバランスやポーズの勢いが死んでしまうからだ。
最新の人体デッサン技法書でも、複雑な人体を箱や円柱といったシンプルな立体構造に置き換えるアプローチが主流となっている。捉えるべきは細部の線ではなく、空間における体の体積と力のかかり方だ。本質的なフォルムの掴み方をマスターすれば、どんなに複雑なポーズであっても、ブレのない自然な作画が描けるようになる。