視聴者を釘付けにした男の正体は、テレビ朝日の敏腕エグゼクティブディレクター、友寄隆英である。裏方に徹するはずの制作責任者が自らカメラの前に立ち、部族の差し出す生肉や未知の川魚を骨ごと噛み砕く姿は、瞬く間に列島を震撼させた。『陸海空 こんなところでヤバいバル』の前身番組において、アマゾン熱帯雨林の奥地へと分け入った彼の目的は、単なる珍道中のレポートではなかった。現地の人々と同じものを食べ、同じ地べたに眠り、文化の深淵へと同化することこそが彼の真骨頂だったのだ。
皮膚が染まったトラブルさえも「これ、落ちないんですか?」と笑い飛ばし、旅を続行したメンタリティは、作られたキャラクターでは決して到達できない領域にある。危険生物が蠢く密林のただ中で、自ら火を起こし、泥水を啜りながらカメラを回し続ける姿は、取材者と被写体の境界線を完全に融解させていた。