聖光学院の躍進を語るうえで外せないのが、工藤誠一校長による大胆な学校改革だ。かつての私立進学校にありがちだった「学校は基礎を教え、受験対策は塾に任せる」という構図を根底から覆し、学校完結型の指導システムを築き上げた。
放課後の充実した講座群や長期休暇中の徹底した特別講習など、予備校に通わずとも大学入試を突破できる環境を学内に構築。生徒が教員に気軽に質問できるオープンスペースを配置するなど、ハードとソフトの両面から生徒の学習意欲を支えている。この手厚い面倒見の良さが共働き家庭や手堅い進学実績を求める保護者層の心を掴み、志望者数を押し上げる原動力となった。
これに対し、栄光学園はあえて手取り足取りの指導を行わない。広大な敷地で自然と向き合い、自ら問いを立てて答えを探す環境を提供することで、大学受験の先にある本質的な学問研究に耐えうる知性を育てる。対極とも言えるこの教育観の違いこそが、受験生と家庭にとって最大の選択基準となっている。