復帰を果たし、さらなる飛躍を期していた矢先、あまりにも非情な悲劇が一家を襲います。1999年3月17日午前、沖縄県大宜味村(おおぎみそん)の路上で、母・恵美子さんが義理の弟(再婚相手の実弟)によって車ではねられた上、凶器で襲撃されるという痛ましい事件が発生しました。恵美子さんは搬送先の病院で息を引き取り、享年48歳という若さでした。この日は奇しくも、安室さんの復帰第2弾シングル「RESPECT the POWER OF LOVE」の発売日当日でした。
事件の凶行に及んだ犯人は、犯行直後に山中で農薬を服用して自ら命を絶ちました。そのため、詳細な動機が法廷で語られることはありませんでしたが、警察の捜査や関係者の証言によると、親族間における金銭トラブルや複雑な人間関係の行き違いが背景にあったとされています。
新曲のプロモーション記者会見が予定されていた東京の会場で訃報を聞いた安室さんは、すべてのスケジュールを即座にキャンセルし、当時の夫とともに急遽沖縄へ飛びました。日本中が連日トップニュースとして報じる中、深い悲しみに暮れながら母の遺体と対面した安室さんの姿は、日本中に大きな衝撃と深い哀悼の思いをもたらしました。