シンボリックな建築美を誇る東京都庁の周辺は、日中は行政とビジネスの中枢として機能しているが、陽が落ちるとまったく異なる情景を立ち昇らせる。ビル群の地下通路や隣接する飲食街には、仕事帰りの一杯を楽しむ人々が次々と吸い込まれていく。
中でも新宿野村ビルをはじめとする高層ビルのレストランフロアは、天候を気にせず利用できる利便性と、夜景を見下ろせる上質なロケーションが共存する人気スポットだ。厳しい市場変動をくぐり抜けてきた外食産業は、単に食事を提供するだけでなく「その場所でしか得られない時間価値」の創造へと大きく舵を切った。ビジネス街の居酒屋もその潮流を捉え、オープンキッチンでのライブ感溢れる調理や、産地指定のこだわり食材で客の心を掴んでいる。