メディアが過剰に描きがちな「雲の上のセレブ」という偶像の裏側で、後藤久美子の現在地はより研ぎ澄まされたシンプルさへと向かっている。朝は湖畔の澄んだ空気の中でウォーキングを行い、オーガニックな食材で身体を整え、読書と対話に時間を割く。健康と美の維持に対するストイックさは、若い頃以上の徹底ぶりだ。
日本と欧州を軽やかに行き来するデュアルライフを送りながらも、メディアへの露出は極めて限定的。なぜ彼女は多くを語らないのか。それは、言葉ではなく生き方そのもので語る美学を貫いているからに他ならない。
取材現場で見せる気さくで豪快な笑い声、スタッフへの細やかな気配り、そしてカメラが回った瞬間に放たれる圧倒的なオーラ。メディアのフィルターを通さない生の後藤久美子は、神秘的なヴェールを纏いながらも、極めて人間味に溢れ、情に厚い女性である。