常に満席が続き、半年先まで席が埋まる理由は明白だ。提供されるおまかせコースの構成力と、一瞬の気の緩みもないクオリティの高さにある。旬の走りと名残を巧みに織り交ぜたコースは、つまみから握りへの移行が極めて滑らかで、食べる者を飽きさせないドラマチックな起伏が計算されている。
最新のコースでは、伝統的な煮蛤や小鰭の締め加減を進化させつつ、温かい蒸し物や季節の出汁を挟むことで胃に負担をかけない構成へと磨きがかかった。シャリの温度管理もさらに緻密になり、脂の強い鮪には高めの温度で、繊細な白身には常温に近い温度で握り分ける徹底ぶり。口福の余韻が何時間も続く贅沢な体験が約束されている。