歯の問題と並んで取り沙汰されるのが、胃腸への負担や「骨がスカスカになる」という懸念です。これらの主張の根拠と医学的な実態を整理します。
まず骨への影響ですが、「無糖炭酸水で骨密度が低下する」という説に科学的根拠はありません。この誤解が広まった原因は、過去に行われた海外の大規模コホート研究で「コーラを常飲する女性の骨密度が低かった」というデータが発表されたことにあります。コーラ飲料には酸味料や保存料としてリン酸が添加されており、リンの過剰摂取がカルシウムの吸収を阻害することが要因と分析されました。純粋な水と炭酸ガスのみで作られた炭酸水にはリン酸が含まれていないため、骨への悪影響を心配する理由は見当たりません。
一方、胃への影響についてはメリットとデメリットの双方が存在します。炭酸ガスは胃の粘膜を適度に刺激し、胃の血流を促して蠕動(ぜんどう)運動を活発にします。これが食欲増進や便秘解消につながる反面、もともと胃酸過多の人や逆流性食道炎の傾向がある人にとっては、胃内圧の上昇やゲップによって胃酸が逆流しやすくなるデメリットとなり得ます。胃の不快感を覚えやすい体質の人は、飲む量を調整するか、微炭酸を選ぶなどの配慮が賢明です。