温泉街の中心に位置する金の湯の暖簾をくぐると、まず目に飛び込んでくるのが、底が見えないほど濃密に濁った赤茶色のお湯です。この独特な色合いこそが、有馬温泉が世界に誇る「金泉(きんせん)」の証です。
湧き出た直後の源泉は無色透明ですが、非常に豊富な鉄分(鉄イオン)が含まれているため、空気に触れて酸化することで鮮やかな赤褐色へと姿を変えます。さらに注目すべきは、海水の約1.5倍から2倍とも言われる桁外れの塩分濃度です。泉質名は「含鉄-ナトリウム-塩化物強塩高温泉」に分類され、肌に付着した塩分が強力な皮膜を形成して汗の蒸発を防ぎます。
入浴後もしばらく体がポカポカと温まり続ける抜群の「温まり効果」があり、冷え性、関節痛、神経痛、慢性皮膚炎、末梢血行障害の改善など多彩な効能が期待されています。湯船から立ち上るほのかな鉄サビの香りと濃密な肌ざわりは、一度浸かると病みつきになるほどのインパクトを誇ります。