写真集における「造本設計(Zouhon Sekkei)」とは何か。一般的なブックデザインやグラフィックデザインの枠組みを超えた概念がそこにはある。単に写真をきれいにレイアウトするだけではない。
町口覚は、写真家の撮った1枚1枚の背後にある「熱量」や「暗闇」、「感情」を掴み取り、それを形にする。判型、紙の厚み、目方、表面の質感、版組み、糸の綴じ方、表紙の布地。すべての要素に必然的な理由を与える作業、それが彼の行う造本設計である。
写真集の概念を覆した独自の手法
彼は「本」という媒体を、写真展の代用品とは決して捉えない。展示空間で見るグラフィックと、手に取って1ページずつ捲っていく読書体験はまったく別物だからだ。写真の順番や見開きの対比によって、新しいストーリーが生み出される。彼の造本は、写真家自身も気づいていなかった作品の「真の姿」を炙り出す力を持っている。