事故発生から警察が正式に身元を発表するまでには、法律で定められた厳格な手続きが存在します。速報から発表までのタイムラインは、概ね以下のようなステップで進められます。
【ステップ1:初動鑑識と遺体収容(発生当日)】
高速道路の通行止め解除を最優先としつつ、事故現場の測量と遺留品の採取、遺体の搬送が行われます。この段階で所持品から確実な身元判明に至らない場合、「身元不明」として検察庁および警察医へ引き継がれます。
【ステップ2:司法解剖または調査法解剖(1〜2日目)】
大学の法医学教室等で解剖が実施され、死因(頭部外傷、失血死、焼死など)の特定と同時に、身元特定用の組織サンプル(大腿骨や深部組織)の採取、レントゲン撮影が行われます。
【ステップ3:関係先の割り出しと対照資料の収集(2〜5日目)】
ETCの通行履歴や所属企業、家族からの捜索願などをもとに浮上した候補者の自宅から、生前の歯ブラシや毛髪、親族の口腔粘膜などをDNA対照資料として押収・提供を受けます。
【ステップ4:科学的照合の完了と検視調書の作成(数日〜2週間)】
DNA鑑定や歯型照合の完全一致が確認された後、検察官や警察署長による検視を経て、法的に身元が確定します。ここで初めて「死亡したのは〇〇市在住の〇〇さん」という警察発表が行われ、遺族へと遺体が引き渡されます。