「スキヤキ」という単語は、今や寿司や天ぷらと並んで世界中で通じる日本語の一つですが、この言葉が欧米で広く浸透した背景には歴史的な音楽のヒットが深く関係しています。
1963年、歌手・坂本九さんが歌う『上を向いて歩こう』がアメリカのビルボード総合チャート(Billboard Hot 100)で3週連続全米1位を獲得するという歴史的快挙を達成しました。当時、英語圏のリスナーにとって日本語の原題が発音しにくかったことから、イギリスやアメリカのレコード会社が「欧米人に馴染みがあり、響きが良い日本食の名前」として『SUKIYAKI』というタイトルに変更してリリースした経緯があります。
曲自体の切なく美しいメロディとともに「SUKIYAKI」というフレーズは世界中の人々の記憶に刻まれました。その後、半世紀以上の時を経て日本の食文化が本格的に世界へ普及する中で、「歌の名前として知っていたスキヤキを、本物の最高級グルメとして味わう」という特別な文化体験として再び世界中で脚光を浴びています。