テレビアニメ版の主題歌は、ミリオンセラーを連発していた90年代J-POPの熱気がそのまま投影されています。どの楽曲も一度聴けばイントロから情景が浮かぶほどのインパクトを持っていますが、その制作過程には各アーティストの強いこだわりと知られざるエピソードが存在します。
初代OPを飾ったBAADの『君が好きだと叫びたい』は、爽快なギターリフと疾走感あふれるビートが特徴です。湘北高校バスケ部の始まり、赤木晴子との出会い、桜木花道の衝動をストレートに表現したアンセムとして、国内外のファンから圧倒的な支持を集めました。台湾や韓国などのアジア圏でも広く親しまれ、今なおアニソンフェスで大合唱が起きる定番曲です。
一方、初代EDとなった大黒摩季の『あなただけ見つめてる』は、発売から瞬く間にミリオンセラー(累計120万枚以上)を突破しました。歌詞中には「サッカーさえも好きになったわ」というフレーズがあり、バスケ漫画のエンディングにサッカーが登場するという意外性で話題を呼びました。これはタイアップ決定前に大黒摩季自身の恋愛観や実体験をもとに作詞されたためですが、恋にのめり込む狂おしいほどの情熱が、バスケにすべてを捧げる高校生たちの熱量と奇跡的な親和性を生み出しました。
そして、スラムダンクを語る上で外せない名曲が2代目EDであるWANDSの『世界が終るまでは…』です。作詞を上杉昇、作曲を織田哲郎が手掛けたこの壮大なロックバラードは、劇中で「三井寿のテーマ曲」としてファンの胸に深く刻まれました。不良グループの襲撃事件から「バスケがしたいです……」と安西先生の前で涙を流す名シーン、そしてインターハイ翔陽戦・山王戦での限界を超えたスリーポイントシュートの背景には、常にこの曲の哀愁と熱情が響いていました。
物語後半を彩ったZARDの『マイ フレンド』もまた、ミリオンセラーを記録した珠玉の名曲です。坂井泉水の澄み切った伸びやかなボーカルと「いつも輝いていた ね 少年のまま」というフレーズは、インターハイへと向かう湘北メンバーたちの友情と青春の煌めきを見事に描き出しました。切なさと前向きな希望が同居するメロディは、TVシリーズのフィナーレに最高の余韻を残しています。