長編映画における山口氏の代表作として広く知られるのが、シンエイ動画の制作によって世に送り出された『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2026』だ。1985年のオリジナル名作を現代の映像表現でアップデートするという重責を見事に果たし、世代を超えた感動を呼んだ。
旧作の持つ素朴な魅力を尊重しながらも、戦闘シーンでのリアルな特撮的アプローチやクーデターに揺れるピリカ星の社会情勢をリアリティ豊かに描写。子ども向けアニメの枠組みを超えた、濃密な映画的体験を提供してみせた。
特筆すべきは、掌サイズの宇宙人ピリカたちとドラえもん一行の心温まる友情の機微だ。巨大なスケールの戦いとパーソナルな感情表現の対比が見事であり、山口氏の手腕が細部にまで行き渡っていた証左と言える。