手だけでなく、下半身や頸部にも血圧調整に大きく関与する重要なツボが存在します。特に注目すべきは、足にある「太衝」と「湧泉」、そして首元にある「人迎」です。
足の甲に位置する太衝ツボの押し方は、足の親指と人さし指の骨の間を足首方向へ指でなぞり、指が止まる骨の合流部に親指の腹を直角に当てます。太衝は東洋医学で「肝」の昂ぶりを抑えるとされ、イライラや精神的プレッシャーによって血圧が急上昇している局面で非常に高い鎮静力を発揮します。親指の先端を使い、骨の隙間に向かって静かに圧をかけていきます。
足裏の中央やや前方、足の指を曲げたときにできるくぼみに位置するのが湧泉ツボ高血圧対策としての定番ポイントです。湧泉は体内の水分代謝や腎機能の働きをサポートし、下半身に滞りがちな血液を効率よく心臓へ押し戻す助けとなります。入浴後など体が温まっている時間帯に、両手の親指を重ねてしっかりと体重を乗せるように押圧するのがコツです。
のどぼとけの両脇、約3センチ外側の頸動脈がドクドクと拍動している場所にあるのが「人迎(じんげい)」です。人迎ツボ降圧効果は、頸動脈洞に存在する圧受容器を刺激することで心拍数を落とし、急激に血圧を下げる生理反応を引き起こします。しかし、この人迎は非常にデリケートな部位であり、後述する通り素人が安易に強い刺激を加えることは極めて危険です。