吹奏楽界の最高峰とされるコンクールにおいても、審査の風向きは確実に変わっている。長年、日本の吹奏楽は「ミリ単位の発音の揃い」と「完璧な音程」を追求するあまり、ミスを極度に恐れる「減点主義」に陥りがちだと批判されてきた。
しかし、近年の審査では、演奏者自身の表現力や個性の表出、多様な音色の対話が高く評価される傾向が強まっている。完璧だが無機質な揃いよりも、粗削りであってもリスナーの心を動かす躍動感が支持される。これは、極度の緊張下で完璧さを競い合ってきたコンクール文化にとって、本質的な転換を意味している。