この現象はプライベートな恋愛関係にとどまらない。職場における「愛想つかし」は、優秀な人材が突如として会社を去る「サイレント離職」として猛威を振るっている。厚生労働省が警鐘を鳴らす労働環境とメンタルヘルスの課題においても、心理的安全性の欠如が従業員の離職意欲を加速させる主因として指摘されている。
理不尽な指示や慢性的なマイクロマネジメントに晒された部下は、ある日を境に一切の提案や異論を口にしなくなる。業務は卒なくこなすが、飲み会には参加せず、業務時間外の連絡には一切応じない。上司は「最近手がかからなくなった」と安心するが、部下はその裏で転職サイトの登録を済ませている。感情的な対立を避けるための防衛反応が、組織からの静かな脱出劇へと直結しているのだ。