羽田圭介の著作は、純文学の枠に収まらない多彩なバリエーションを誇ります。読者の興味に合わせて選べる代表作とおすすめ小説を紹介します。
1. 『スクラップ・アンド・ビルド』
芥川賞を受賞した金字塔。20代無職の主人公が、介護を必要とする祖父を「過剰に手厚く介護することで筋力を奪い、本人の望む早死にへ導こうとする」という過激な試みを通じて、生と死、現代の生きづらさを浮き彫りにした必読作です。
2. 『黒冷水』
17歳で文藝賞を受賞した鮮烈なデビュー作。思春期の兄弟が互いの部屋に侵入し、プライベートを暴き合う精神的攻防を描いたサイコ・サスペンスであり、羽田圭介の原点を知る上で外せません。
3. 『成功者K』
芥川賞を受賞して一躍時の人となった作家「K」が、奔流のように押し寄せる名声、金、欲望に溺れていく姿を描いた自伝的小説。虚実皮膜のストーリーテリングと痛烈な自己批評が文壇でも大きな反響を呼びました。
4. 『Phantom』
現代の資産運用やマネーゲーム、承認欲求をテーマにした意欲作。株取引や仮想通貨にのめり込む人々の心理をリアルに描き、現代社会の歪みを鮮やかに照射しています。
近年刊行された新刊や最新の連載でも、日々の観察に基づくエッセイから壮大なフィクションまで、常に新しいテーマに果敢に挑戦し続けています。