ハンジの歩みは、ただの研究者から「組織の最高指揮官」への過酷な変貌の歴史でもありました。ウォール・マリア奪還作戦の最終局面において、エルヴィン・スミスから「調査兵団第14代団長」に正式指名された瞬間から、個人の感情を殺して大局を見据えなければならない重責がハンジの肩にのしかかります。
団長就任に先立つシガンシナ区決戦では、ハンジのトレードマークとなる「右目の失明」という痛ましい出来事が発生しました。超大型巨人の大爆発に巻き込まれる直前、長年の副官であったモブリット・バーナーがハンジをとっさに古井戸の中へ突き落とし、自らの命と引き換えにハンジを救出。爆風と熱波によって右目を失ったハンジは、眼帯を装着することとなり、失った部下の命の重みをその身に刻み込みながら戦い続けることになります。
エルヴィンという絶対的なカリスマの後を継いだハンジは、壁外の世界の真実、パラディ島とマーレ国の泥沼の対立、そしてエレン・イェーガーの暴走という未曾有の危機に直面します。「エルヴィンならどうしただろうか」という拭えない重圧と孤独に苛まれながらも、ハンジは虐殺による平和を断固として拒絶し、「虐殺はダメだ。これを肯定する理由はどこにもない」という揺るぎない人道主義を掲げて仲間を統率しました。