左利きは早死にする?寿命9歳差の真相と論文の致命的誤謬

左利きは早死にする?寿命9歳差の真相と論文の致命的誤謬

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「左利きは早死にする」というセンセーショナルな言説の震源地となったのは、1988年および1991年にアメリカの心理学者ダイアン・ハルパーン(Diane Halpern)博士とスタンリー・コーレン(Stanley Coren)博士が、権威ある学術誌『ネイチャー』や『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)』に発表した共同論文でした。

両博士はカリフォルニア州の死亡証明書約1,000件を調査し、遺族への聞き取りを通じて故人の利き手を特定しました。その集計結果から導き出された結論は、「右利きの平均死亡年齢が75歳であったのに対し、左利きは66歳であり、その差は9歳におよぶ」という衝撃的な内容だったのです。世界的なトップジャーナルに掲載されたこの研究は、瞬く間に世界中の大手メディアで大々的に報じられ、人々の脳裏に「左利き=短命」という強烈な先入観を植え付けることになりました。

しかし、この研究発表の直後から、疫学者や統計学者たちによる激しい追試と批判が巻き起こることになります。一見すると客観的な死亡データに基づいているように見えたこの調査には、統計学の基礎を揺るがす巨大な落とし穴が隠されていました。

小林 直樹
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小林 直樹

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