偉大な親を持つ二世タレントの多くが直面する試練。それは、生まれ持った名前の大きさに自分自身が飲み込まれてしまうことだ。小澤征悦もまた例外ではなかった。父は、ボストン交響楽団やウィーン国立歌劇場などでタクトを振るい、世界中にその名を届かせたマエストロ・小澤征爾。幼少期から「小澤征爾の息子」というラベルは、どこへ行っても付いて回った。
しかし、彼は音楽ではなく「演技」という異なる土俵を選んだ。1998年の俳優デビュー以来、ドラマや映画で着実にキャリアを積み重ね、クセのある悪役から温かみのある父親役、さらにはバラエティ番組で見せるチャーミングな素顔まで、多様な表情を見せるようになった。親の威光に頼るのではなく、泥臭い現場で叩き上げられた演技力こそが、彼の評価を決定づけたのだ。