いま、ファンの主役となっているZ世代やα世代の価値観は、上の世代とは明らかに一線を画している。彼らにとって「推し」は所有する対象ではない。並走し、応援し、その成長のプロセスを共有するパートナーのような存在だ。だからこそ、相手のプライベートな幸せを制限することは、ファンとしてのエゴであると捉える傾向が強い。
「推しのプライベートの幸せを邪魔する権利は誰にもない」という言説が、SNS上で多くの共感を集めるのもこのためだ。人権意識の高まりや、プライバシー尊重の風潮も、この変化を強力に後押ししている。アーティストを記号として消費するのではなく、一人の人間として尊重する、そんな健全な関係性が模索されている。