総務大臣が「内閣の要」と呼ばれる最大の理由は、総務省の所管業務が極めて多岐にわたり、国民生活と自治体の財政を完全に掌握している点にあります。その強大な権限は、主に以下の3つの柱に集約されます。
第一に、地方自治と地方交付税の配分権です。全国1,700以上の市区町村および47都道府県の財政基盤を支える「地方交付税交付金」の総額決定と配分基準の策定は、地方自治体の生殺与奪の権を握っていると言っても過言ではありません。過疎化に悩む地方の財源保障から、大規模災害からの復旧・復興に向けた特別交付税の迅速な措置まで、地方行政の屋台骨を支えています。
第二に、放送行政と電波利用、情報通信政策の監督権です。テレビ局やラジオ局の放送免許の付与・更新、携帯電話キャリアへの電波周波数の割り当て(電波利用料の管理)、巨大ITプラットフォームに対する法規制など、情報空間のルールメイキングを一手に担っています。携帯電話料金の引き下げ議論やNHKの受信料制度改革など、常に世論の関心を集めるテーマがこの部門に集中しています。
第三に、政治資金規正法の管轄と選挙制度の管理です。政党や政治団体の政治資金収支報告書の提出先であり、国政選挙の執行管理を司る機関でもあります。「政治とカネ」をめぐる問題が噴出するたび、制度所管大臣としての見解や法改正への姿勢が厳しく問われる構造になっています。