この過激なトレンドを社会現象へと押し上げたのが、80年代アイドルのグラビア展開と企業ポスターの存在です。当時は夏になると、レコード会社やテレビ局、飲料メーカーなどがこぞって所属タレントやアイドルの水着ポスターを制作していました。
70年代の清純派アイドル像から脱皮し、80年代のアイドルたちは歌番組だけでなく雑誌の巻頭グラビアでも積極的に水着姿を披露しました。健康的なアスリート体型を見せる松田聖子や河合奈保子、早見優といったトップアイドルたちのグラビア展開は、同世代の女性たちにとって憧れのファッションアイコンとなっていきます。
特に鉄道の駅構内に貼られた化粧品や飲料の大判水着ポスターは、あまりの人気の高さから「駅貼りポスターがファンに盗まれる」事件が全国で多発するほどでした。「夏=ハイレグ水着を纏ったヒロインの季節」という強烈なパブリックイメージが、メディアと大衆の熱狂によって完全に定着した時代でした。