教育現場やSNSのコミュニティ、読書レビュープラットフォームにおける反響を分析すると、本作に対する受け止めには世代を超えた確固たる共通点が見られます。
中学1年生の授業で初めて触れた生徒たちからは、「ミルクを盗み飲みした主人公を最初はずるいと思ったが、自分があの場にいたら同じことをしたかもしれない」「防空壕の土に埋められる場面がリアルで苦しくなった」といった率直な感想が多く寄せられています。
一方で、大人になって親の立場から再読した読者層からは、まったく異なる視点での共感が集まっています。「母親の気持ちを想像すると涙が止まらない」「自分の子どもたちに十分なご飯を食べさせられない母親の無念さは、想像を絶する」といった声が目立ちます。子どもの頃には「兄の罪悪感」に目が行っていた読者が、年齢を重ねることで「母親の計り知れない悲痛」を追体験するという構造が、本作の文学的深みを示しています。