インターネット上の掲示板やSNSでは、時に「校則がゆるい学校は規律が乱れて荒れているのではないか」という偏見や誤解が見られます。しかし、現場の教育実態を精査すると、この認識は実態と大きく乖離しています。
かつての昭和・平成初期に見られた「生徒指導が機能不全に陥った結果としての荒廃」と、現代の「教育理念に基づいた自主自律の推進」は本質的に別物です。現代の自由な高校では、ルールが少ない代わりに「他者の権利や自由を侵害しない」という高い規範意識が共有されています。陰湿ないじめや理不尽な同調圧力がむしろ発生しにくく、心理的安全性が確保された環境が形成されているケースが多く報告されています。
また、全国の教育委員会主導で進む校則見直しプロジェクトでは、教員が一方的にルールを緩めるのではなく、「生徒会と教員、保護者が対話を通じて校則を再構築する」というプロセスが定着しました。ルールを自分たちで策定・改定する経験を通じて、主権者としての当事者意識が育まれるという副次的な効果も実証されています。