「もうひとつの土曜日」が最初にレコードとしてリリースされたのは1985年5月22日、18枚目のシングル『LONELY-愛という約束事』のB面でした。当時はタイアップ全盛期に向かう時代背景がありながら、本作は大規模なプロモーションが行われたわけではありません。
しかし、深夜ラジオや有線放送へのリクエスト、そして全国ツアーのステージを通じてファンの間に驚異的なスピードで浸透。翌1986年9月4日にリリースされ、オリコンチャート1位を獲得した2枚組の歴史的名盤アルバム『J.BOY』に収録されたことで、その評価は決定的なものとなりました。
レコード会社関係者の回想録や当時の音楽雑誌の記録を辿ると、ライブ会場でこのイントロがピアノで奏でられた瞬間、客席のあちこちからすすり泣きが漏れ聞こえたというエピソードが数多く残されています。A面曲を凌駕する熱量でリスナーに迎え入れられた本作は、まさに「聴き手の心に直接届いた本物の歌」としての歩みを持っています。