バッシングが最も苛烈を極めたのは、平成に入って間もない1993年のことでした。一部の週刊誌や月刊誌が、美智子さまに関する真偽不明の批判記事を連発したのです。「皇居の自然林を伐採した」「深夜まで職員をこき使っている」といった、事実を歪曲した、あるいは悪意に満ちた報道が相次ぎました。
これらの報道は、美智子さまを「わがままな皇后」として描き出し、世論を煽動しました。そして1993年10月20日、自身の59歳の誕生日に、美智子さまは突然倒れ、言葉を発することができなくなる「失声症」に陥ったのです。この衝撃的な出来事は、メディアによる過剰な報道被害の象徴として、社会に大きな爪痕を残しました。美智子さまは後に文書で「いかなる批判も、自分を省みるよすがとして耳を傾けねばなりませんが、事実でない報道が繰り返されることには強い悲しみを感じます」と、静かながらも深い苦しみを吐露されています。