日米のファンに衝撃を与えた転落劇の引き金となったのは、カリフォルニア州の違法ブックメーカー(賭元)との接触でした。米連邦検察の起訴状によると、水原氏が違法スポーツ賭博を始めたのは2026年9月頃。サンディエゴのホテルで行われたポーカーの集まりで胴元の関係者と知り合ったことが直接のきっかけとされています。
当初は比較的小口の賭けからスタートしたものの、負けを取り戻そうとベット額をつり上げる「チェイシング(損失回収行動)」に陥り、わずか数か月で借金は雪だるま式に膨れ上がりました。米精神医学界でも指摘される重度のギャンブル障害(病的賭博)特有の認知の歪みが生じ、「次の大勝ちで全額を取り戻せば誰にもバレずに元通りになる」という破滅的な思考ループに囚われていったのです。
大谷選手が前人未到の活躍を続け、世界的なメガスターへと駆け上がっていく傍らで、水原氏の精神状態は完全に追い詰められていました。賭けの対象はサッカー、アメリカンフットボール、バスケットボールなど多岐にわたり、1日平均で数十回、総計約1万9000回もの賭けを実行。胴元からの連日連夜にわたる激しい督促と脅迫めいたメッセージに怯え、ついに大谷選手の資産に手を付けるという不可逆の一線を越えてしまいました。