捜査三課の刑事が警察内部で「職人」「玄人」と呼ばれる最大の理由は、捜査三課の手口捜査専従という独自の捜査手法にあります。
窃盗犯には、侵入時の足場の選び方、窓ガラスの割り方(三角割り・焼き破り)、解錠工具の使い方(サムターン回し・ピッキング)、盗み出す金品の選別順序、さらには現場に残すタバコの吸い殻の消し方に至るまで、無意識の「癖(手口)」が必ず刻まれます。捜査三課ではこれらを「手口原票」と呼ばれるデータベースに蓄積し、現場の状況を見ただけで「これは〇〇(犯人のあだ名や符丁)の仕業だ」と見抜くベテラン刑事が多数存在します。
特に捜査三課のスリや空き巣の追尾を行う専門班(通称「すり専従班」など)は、混雑した駅構内や繁華街に溶け込み、不審な視線の動きや指先の動きだけでプロのスリを特定します。相手が財布を抜き取る「犯行の瞬間」を視認して現行犯逮捕しなければ証拠不十分となるケースが多いため、極めて高度な尾行・張り込み技術が要求されます。