ネット上のQ&A掲示板やSNSで頻繁に見受けられるのが、「大さじ1杯=15ccなのだから、砂糖50gは大さじ3杯強(約3.3杯)で良いはずだ」という致命的な勘違いです。この計算ミスは、料理ビギナーのみならず自炊経験者でも無意識に陥りがちな落とし穴となっています。
なぜこの誤解が起きるのかというと、「1cc(1ml)=1g」となるのは比重が1.0である水(常温の水)だけだからです。調味料ごとに物質の比重は大きく異なります。
例えば、塩は大さじ1杯で約18g、しょうゆやみりん・味噌は約18gと水より重い一方、砂糖や小麦粉は結晶や粉の間に大量の空気を抱え込む性質(かさ比重が小さい性質)を持っています。水分を微量に含んでしっとりしている上白糖のかさ比重は約0.6程度しかないため、15mlの容積に収まる重量はわずか9gにしかなりません。
もし「大さじ1=15g」の前提で50gを大さじ3杯強だけで計量を済ませてしまうと、実際には約30g程度しか砂糖が入っていない状態になります。レシピが意図した糖分濃度に対して4割近くも不足することになり、「煮物の照りやコクが出ない」「ジャムのとろみがつかない」「パン生地の発酵が進まない」といったトラブルに直結するわけです。